2全 穀 発 第85号
令和2年 9月 15日
組合員 各位 様
全国穀類工業協同組合
ミニレター(2−9)
今号では、9月3日(木)にリモートにより開催された「令和2年度第4回理
事会」及び日本米粉協会の動向等について、下記の通り報告いたします。
記
1 理事会について
(1)アンケート結果総括(資料1参照)
A−@コロナ禍の製造量への影響
コロナが猖獗を極めた本年3〜6月の組合員の米粉等の製造状況は、
家庭用製品は、外出自粛措置に伴い、巣ごもり需要等から一部の製造者に
おいて対前年を上回り順調に推移した一方、業務用製品は、花見、祭り、
節句及び土産等の最需要期に外出自粛措置が重なったことから、歴史的な
減少となったが、トータルベースでは、3月微減、4月約1割減、5月
同、6月約1割減と推計される。(下表参照)
また、コロナ禍の製造に与える影響度合いについては、地域別(東日
本36社、中日本15社、西日本20社)に顕著な差異は見られなかっ
た。
○アンケート結果に基づく月別製造量の推移の推計(対前年同月比
(単位:%)
級別 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
備考 |
1級 (11社) |
+15 |
+7 |
+23 |
▲7 |
家庭用増、 業務用減 |
2級 (19社) |
▲7 |
▲32 |
▲3 |
▲16 |
家庭用減、 業務用減 |
3級 (41社) |
▲12 |
▲25 |
+22 |
▲11 |
家庭用区々 業務用減 |
計 |
▲2 |
▲14 |
▲1 |
▲12 |
|
一方、アンケート結果(月別推計)と毎月組合員から提出される生産
月報報告及び毎月公表される食品需給研究センターの製造量を比較する
と、下表のとおり対前年同月比+増▲減区々の結果となっている。
○製造量の推移(比較) (対前年同月比:%)
区分 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
アンケート結果 |
▲2 |
▲14 |
▲1 |
▲12 |
生産月報報告 |
▲3.8 |
▲14.9 |
▲19.6 |
▲5.1 |
食品需給研究センターの製造量 |
+2.4 |
+1.3 |
+3.9 |
+9.3 |
当組合員のコロナ禍における、3〜6月の製造量は何れも対前年同
月比▲(マイナス)となっているのに対し、全国の生産量は何れの月も
対前年比増加となっており、組合員の実感よりかなり乖離しており、そ
の結果に疑問を呈さざるを得ない。
なお、当組合のアンケート調査結果と生産月報報告の乖離は、アンケ
ート調査は仮定に基づく推計値であり製造量を無視しているが、生産月
報報告は、製造品目毎のデータを基にしており、感覚等で記入したアン
ケートに比し、より信頼性が高いと思料される。
従って、組合全体でコロナ禍の影響が顕著だったのは、本年5月で
対前年比2割程度落ち込んだものと推測できる。(食料需給研究センタ
ーの製造量及び生産月報報告については資料2参照)
また、アンケート後の本年7〜8月の製造状況について各委員の意
見は、
⇒昔から非需要期でコロナ禍が重なり最悪の状況で(対前年同月比)
半分程度。
家庭用の白玉は巣ごもり需要の発生で一時良かったが、今やブーム
は完全に去ってしまい需要期の夏でも動いていない。
等の意見が出された。
A−A影響の及ぶ期間
コロナの影響が及ぶ期間については、今後、「WITHコロナが常態化」
という回答が最も多く、次いで「来年春ごろまで」となっている。
A−B公的支援等の活用状況
公的資金等(銀行等の運転資金融資を含む)の活用状況は、全回答者
74社中39社と、過半数以上の者が利用している。
本アンケート結果については、コロナ禍における組合員の現状とし
て整理・保存、関係省庁、団体等への現状報告等に活用していく。
B−@新役員体制に期待すること
原料米の確保:生命線である原料米の安定供給、安価な原料米の確保等。
需要拡大:他団体、アウトサイダーとの連携、米粉食文化の発展。
ノングルテン、新規需要米に注力しすぎ、関係しているの
は数社のみ等。
組合運営:IT機器を活用した会議開催、組合に入っていて良かったと
実感できる様に、会員の増強、会費の免除、事務作業の外
部委託、情報発信、総会の地方開催(経費は各社持ち)等。
B−A部会等の活性化策
原料米関係:価格動向、産地状況、為替動向等の情報提供、安価な原
料米の紹介等
部会開係:オンライン開催の検討、理事以外を部会長に、部会開催を
積極的に、コロナ禍の終息後に検討、活性化は必要でない、
YOU TUBEでPR動画を作成し拡散等。
等の意見が寄せられた。(資料1アンケート結果参照)
B−B要望等への対応報告
・「コロナ禍の製造量への影響についての対応」については、
前回の理事会の決定通り1期分の組合費の免除を既に実施済み。組合
運営上更に免除することは困難と思料される。
・「原料米の確保」については、
⇒原料米の確保については全く困っていない。
⇒ありすぎて困っている。
⇒もち米の調達は増やしてもらいたい。古米を抱えている、今後2年
は原料米を仕入れなくてもよい。
⇒九州のもち米産地である佐賀・熊本が、去年のように台風の被害を
受けないことを願っている。
等の意見が出され、原料米の確保については、特段の対応が必要な状況
にないことを確認。
・「需要拡大」策については、
⇒コロナ禍が収束しなければ何もできない。シーズン(最需要期)を
今年は取りこぼした、在庫がはけるような取り組みを。
⇒広島では、菓子チケットで需要喚起をする取り組みが行われるよう
であり、昨年も秋に行った三原の米粉フェスを今秋も開催すると
聞いている。
⇒組合HPに米粉の料理レシピを紹介し、そこをクリックすると製造
者のHPに飛び通販で購入できるようにしたらどうか。(組合員で
自社のHPを作成している者は46社)
これに対し各委員からは、
⇒通販は行っていない、HPで製品の販売をしている、アマゾンや楽
天経由で通販を行っている及び子会社HPで販売している等の実
態が披露された。
これら意見があり、組合HPに米粉レシピのページを作り、これに製造、
販売者のHPへのリンクを張ることを検討する事となった。
要望事項等については、理事会等において、今後も、その実現可能性
について議論していく。
(2)今後の会議開催スケジュールについて
【理事会】
・R2FY第5回 令和2年11月5日(木)14:00〜
リモート開催。
・R2FY第6回 令和3年1月27日(水)〜28日(木)
於:地方開催
なお、第7回以降(来年3月以降)の開催については、順次決定
する。
【正副理事長会】
・R2FY第1回 令和2年10月15日(木)15:00〜
於:組合会議室
【監事監査】
・令和3年4月13日(火)15:00〜 「組合会議室」
【通常総会】
・令和3年5月13日(木)「台東区生涯学習センター(予定)」
(3)報告事項
@米穀の基本指針について(ミニレター2−8で報告済み)
・昨年7月〜本年6月までの1年間の主食用米の需要量は、減少量の
年度平均値である▲10万トンを大幅に超える、対前年度比▲22万
トン減少となった。この要因は、@インバウンド▲1.5万dの減少A
巣ごもりによる外食、中食の減少と家庭用の増加で相殺して▲9千ト
ンの減少、計2.4万dこれに減少量の10万トンを加えると▲12.4
万dとなるが残り▲約10万dについては明確な減少要因は不明。
・需要が減少したことから、本年6月末の在庫量は201万dとなり、
令和2年産の作柄にもよるが、供給過剰となることを見越し主食用
米の価格は、このところ弱含んで推移。
等について説明。
A日本米粉協会の動向について(資料3参照)
・農水省の補助事業で作成した米粉パンフレット(邦文、英文、仏文)
の配布。
同パンフレットについては事務局に余部があるので入用の方は申し
出て下さい。
・令和2年度米粉用米情報交換会(マッチング)。
以下の、今年度開催予定の5か所について、開催日時・場所が決定
開催県 |
開催日時 |
開催場所 |
秋田 |
11月20日(金) |
TKPメトロポリタン・カンファレンスセンター |
群馬 |
12月8日(火) |
高崎ワシントンホテルプラザ |
新潟 |
11月11日(水) |
駅前オフィス貸会議室 |
広島 |
10月13日(火) |
TKPガーデンシティPREMIUM広島 |
福岡・佐賀 |
11月25日(水) |
エイムアテイン博多東貸会議室 |
※時間は何れの会場も13:00〜16:00
・ノングルテン米粉の製造と同加工品普及講習会(農水省補助事業で聴
講無料)
昨年に引き続き大坂(10月23日(金))、東京(10月27日(火))
において開催予定。同講習会はノングルテン米粉を使用した加工品
の日本米粉協会への登録には聴講が必須。
2 その他
(1)ノングルテン米粉の製造工程管理の日本農林規格の制定について
(資料4参照)
8月21日(金)日本農林規格調査会(JAS調査会)が開催され、「ノ
ングルテン米粉の製造工程管理のJAS規格制定」について審議され、す
べての委員より、JAS規格制定について同意が得られ、原案の通り制定さ
れることとなり、本年10月ごろ告示される見込み。
(2)FABEX関西2020の招待状(パンフレット参照)
10月28日(水)〜30日(金)インテックス大阪1・2号館で開催
される表記の招待状をお送りします。
なお、確実に御入場頂くために、案内に従い、事前登録をお願いいたし
ます。
以上
ミニレター 54