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米穀粉賞味期限分析試験結果最終報告について

当組合では、多種に渡る米穀粉に関して、その賞味期限の科学的根拠となるデータ収集の為に下記の分析試験を実施いたしました。その結果をご報告いたします。

1.検査依頼機関  
(財)日本穀物検定協会 中央研究所

2.分析依頼対象製品  
上新粉・もち粉・だんご粉・白玉粉・(家庭用小袋製品を使用しました)
道明寺・寒梅粉・(業務用クラフト紙袋製品からビニール袋に小分けして試料としました)

3.分析試験の種類 
理化学検査(一般生菌数・耐熱性菌数・水分・水溶性酸度の4項目を実施)

4.試験期間と保管条件  
平成19年12月より2ヵ年間    
常温保管の製品 
平成19年12月19日 初回分析を依頼
低温保管の製品 平成20年3月25日    〃    (※低温保管の条件は20℃以下)

5.1ヶ年及び2ヶ年経過時における分析試験の結果     
下記表参照

常温保管の製品
  一般生菌数(cfu/g) 耐熱性菌数
(cfu/g)
水分(%) 水溶性酸度
(KOHmg/100g)
銘柄 検体記号(粉砕方式) 19年 21年 21年 19年 21年 21年 19年 21年 21年 19年 21年 21年
12月 1月 12月 12月 1月 12月 12月 1月 12月 12月 1月 12月
上新粉 A(R) 3.5×103 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 13.7 13.8 13.8 100 107.8 107.8
B(D) 3.0×104 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 12.7 13 13.2 100 111.7 115.5
C(D) 5.3×104 3.7×103 600以下 600以下 12.9 13.3 100 115.3
もち粉 D(D) 300以下 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 11.3 12.3 12.6 100 86.3 90.4
E(D) 6.2×104 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 13.5 13.2 13.2 100 136.4 134.3
だんご粉 F(R) 9.1×102 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 12 12.6 13 100 109.5 106.8
G(D) 5.1×104 300以下 600以下 600以下 12.8 13 100 108.3
H(D) 6.6×103 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 13.3 13.5 13.3 100 101 97
白玉粉 1.6×104 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 12.1 12.6 12.5 100 117.2 110.8
7.0×104 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 11.7 12.1 12.2 100 118.5 126.6
3.4×103 300以下 600以下 600以下 10.5 11.9 100 124.2
道明寺 300以下 600以下 11.7 100
6.0×103 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 11.5 11.8 11.9 100 157.9 178
300以下 600以下 9.8 100
寒梅粉 300以下 300以下 600以下 600以下 13.9 13.2 100 94.4
300以下 300以下 300以下 600以下 600以下 600以下 10.3 10.5 11 100 140 139

(注:1)水溶性酸度の21年1月及び21年12月の数値は、19年12月の数値を100とした指数で表しています。
(注:2)検体記号の後に記載したアルファベットは、粉砕方式の略です。R:ロール製粉方式、D:胴搗製粉方式

低温保管の製品
  一般生菌数(cfu/g) 耐熱性菌数(cfu/g) 水分(%) 水溶性酸度
(KOHmg/100g)
銘柄 検体記号
(粉砕方式)
20年 21年 20年 21年 20年 21年 20年 21年
3月 1月 3月 1月 3月 1月 3月 1月
上新粉 A(R) 3.3×103 3.9×103 600以下 600以下 13.7 13.8 100 102.5
B(D) 4.1×103 300以下 600以下 600以下 12.8 13.3 100 117.9
C(D) 2.1×104 8.3×103 600以下 600以下 13 13.1 100 101.9
もち粉 D(D) 3.0×103 4.6×102 600以下 600以下 11.5 12 100 96.3
E(D) 2.9×104 3.2×102 600以下 600以下 13.6 13.2 100 116.3
だんご粉 F(R) 6.1×102 4.2×102 600以下 600以下 11.9 12.5 100 110.1
G(D) 1.8×104 300以下 600以下 600以下 12.7 13 100 103.9
H(D) 3.5×104 5.5×102 600以下 600以下 13.3 13.4 100 103.2
白玉粉 7.0×103 300以下 600以下 600以下 11.9 12.3 100 106.8
6.9×103 300以下 600以下 600以下 11.2 12.2 100 105.4
300以下 300以下 600以下 600以下 10.4 11.6 100 114.9
道明寺 300以下 600以下 11.4 100
300以下 300以下 600以下 600以下 11.3 11.8 100 109.3
300以下 600以下 9.4 100
寒梅粉 300以下 300以下 600以下 600以下 13.5 13.7 100 102.7
300以下 300以下 600以下 600以下 10.1 10.5 100 93

(注:1)水溶性酸度の21年1月の数値は、常温保管の19年12月の数値を100とした指数で表しています。(注:2)検体記号の後に記載したアルファベットは、粉砕方式の略です。R:ロール製粉方式、D:胴搗製粉方式 ※ 低温保管の製品については、常温保管の製品に比べて、品質劣化しづらいと推測された為、21年1月を以って分析を打ち切りました。

6.結論
分析試験結果表から一般生菌数は製造後1年を経過すると数値は低下することが確認されます。耐熱性菌数及び水分は製造後1年を経過しても変化は見られません。
水溶性酸度の数値は、製造後1年を経過すると緩やかな上昇が確認されますが、2年を経過しても急激な上昇には至らず、品質の劣化は確認されません。
上記の結果から、米穀粉製品は製造後2年までは数値的な異常は発現しておりません。しかしながら、提供された米穀粉製品の個々の製造者が使用する原料米、製粉機械、包装資材、製品の粒度などが異なることを考慮いたしますと、賞味期限を一括して設定することには危険があります。よって、当組合は、各製造業者が今回のデータを目安にして、独自に賞味期限の設定を推奨することといたします。但し、賞味期限の最長期間は1年半を妥当とします。