白玉姫と七人のコメコたちの

米粉ものがたり

白玉姫と七人のコメコたち

米粉ってなぁに?

米粉はお米からつくられる粉のことです。
古くから伝わるやり方でつくられ、和菓子をはじめたくさんのお料理に使われています。精白したうるち米またはもち米を生のまま「ベーター型」、または加熱による熱処理してのり状にしてから使う「アルファー型」があります。うるち米は私たちがごはんをいただくお米のことで、粘りが弱く半透明(はんとうめい)で光沢があります。
もち米は、おもちや赤飯などに用いられるもので、粘り気が強く乳白色のお米です。これらの米粉は和菓子や団子などの原料として使われます。

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米粉のこれまで

私たち日本人は2000年も前からお米を食べてきました。
お米の起源はアッサム(インド北部)・雲南(中国南部)の丘陵地帯の水辺の地域が有力と推測されており、最初は水辺に生えている野生種を集めて食べていたものと考えられています。
日本の稲は2200~2300年前(縄文時代後期)に伝わり、弥生時代に日本のあらゆるところに大きく広がりました。720年に書かれた本(日本書記)には、その頃から日本人は稲をはじめとし、クリ、ヒエ、ムギ、マメを五穀(ごごく)といって、主食としていたとしるされています。

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米粉は、奈良時代の遣唐使(けんとうし…昔の中国に渡り、その土地の知識を日本に持ち帰った人)により唐(とう…昔の中国)の文化が伝えられ、小麦粉や米粉で形をつくり油で揚げたせんべいやもちのような中国のお菓子が伝わったそうです。

この中国のお菓子が伝わってから、穀物からつくる日本の菓子がつくられるようになったとされています。宋や元(昔の中国)へ留学したお坊さんの持ち帰った点心(てんしん…中国の菓子)より菓子が生まれ、それより後の南蛮(なんばん…江戸時代のスペイン・ポルトガル)菓子が日本に伝えられた影響はその時代の人々に広く受け入れられたのです。

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江戸時代になると茶道(さどう…お茶を飲むだけではなく、考え方や、お客さんを 迎えるときのやり方などを知ることができるもの)の発展と共に日本独自の和菓子として完成しました。
江戸時代より後、お寺や神社へお供え菓子に始まり、お殿様など身分の高い人に食べていただく御用菓子(ごようかし)など、当時武士の間でよく行われていた茶の湯(客を招き、抹茶(まっちゃ)をたてて楽しむこと)とともに美を追究した和菓子が地方に広まった、一方その土地の気候風土で育った産物を生活のなかへ取り入れた菓子類が発生したといわれています。
その主な原料は米をはじめとする穀類の粉です。穀物を粉末とすることにより、米とはまた違った食の豊かさが生み出されました。当初はひきうすを使い人力で粉を作り、やがて水車の普及でつきうすによる技術が発達した。米粉は庶民(しょみん)にまで広がり明治時代よりあと機械がつかわれるようになって、より上質な米粉となり現在に至っています。

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米粉のなかまたち

ひとくちに米粉にといっても、原料・作り方でいろいろな米粉ができあがります。 米粉の種類は材料・作り方で分けられます。材料はうるち米(ごはんに使われるお米)ともち米(おもちや赤飯をつくるお米) からつくられます。

性質はうるち米が粘りが弱く半透明で光沢があり、もち米は 粘り気が強く乳白色をしています。作り方は大きく分けてベーター型(お米をそのまま粉にします。)アルファ型(お米を加熱してから粉にします。)に分けられます。

上新粉

上新粉

じょうしんこ

うるち米を水洗いし乾燥(かんそう)させてからロールで粉にしたものを上新粉といい、つきうすを使った胴つきという方法でついた後乾燥させたものを上用粉(じょうようこ)と言います。

使用例

かしわもち・だんご・草もち・ういろうなど

白玉粉

白玉粉

しらたまこ

もち米を水洗いして石うすで水びきし、沈殿(ちんでん)したものを乾燥させたもの。昔は寒中(かんちゅう…真冬)に水を変えながら10日ほどさらしたのち乾燥させてつくったので、別名「寒さらし粉」と呼ばれる上等品です。使うときは水を少しずつ加えながらこねるのがポイントです。

使用例

白玉だんご・ぎゅうひ・うぐいすもち・大福・ねりきりなど

もち粉

もち粉

もちこ

もち米を水洗いし乾燥させてからロールで粉にしたものをもち粉といいます。きめの細かさが特長です。胴つきという方法でついた後乾燥させたものを求肥粉(ぎゅうひこ)と言います。

使用例

大福・ぎゅうひ・最中など

上新粉

道明寺粉

どうみょうじこ

もち米を水にひたしておき、これを蒸してから乾燥させ、丸くしたり二つ割り、三ツ割りなどの適当な大きさに荒くひいたもの。千年以上前、関西の道明寺という尼寺(あまでら)でつくられたものが、この名の由来とされています。

使用例

さくらもち(道明寺使用)・おはぎなど

上新粉

落雁粉

らくがんこ

道明寺粉をもっと細かくして煎(い)りあげたものです。落雁(らくがん)と呼ばれる干菓子(ひがし)に使われる。落雁はきな粉・麦粉などとともに米粉に砂糖と水あめをまぜて固め木型にいれて押し出したもの。

使用例

落雁

上新粉

寒梅粉

かんばいこ

もち米を水洗いし水漬け後、蒸しておもちにします。これを色がつかないように焼き上げ粉にしたものです。ちょうど寒梅(寒中に咲く梅)が咲く季節に、新米を粉にすることから寒梅粉の名がついたといわれています。

使用例

高級打ち菓子、押し菓子など

上新粉

みじん粉

みじんこ

もち米を蒸してもちについてから、白焼きしひいて粉にしたもの。

使用例

おこし・玉あられ・和菓子・天ぷら粉用など

上新粉

乳児粉

にゅうじこ

乳児食・離乳食・重湯用等に使われる。

使用例

乳児食・離乳食・重湯(おもゆ)用など