4全 穀 発 第32号
令和4年 3月30日
組合員 各位 様
全国穀類工業協同組合
ミニレター(4−3)
今号では、2月28日(月)開催された加工原料米を巡る需要者団体と農林水産
省との意見交換会及び3月28日に開催された理事会等について、下記の通り報
告いたします。
記
1需要者団体と農林水産省との意見交換会(別紙1参照)
2月28日(月)1月のMA米の入札において、US中粒種が高騰したことを
受けて、需要者の窮状に理解を求めるため3月の入札前に、農林水産省の担当官
と需要者団体及び傘下企業による意見交換会を実施した。
意見交換は、役所側から「令和4年産を巡る状況について」配布資料により説
明があり(ミニレター(3-12)で報告した需要者団体と農水省との意見交換会の
資料及び説明内容と同じ)、次にMA米を巡る状況について説明があった。(別紙
1意見交換(概要)参照)
MAUS中粒種が高騰したのは@加州産米の収穫減少等に伴うFOB価格の上
昇A為替レートの円安傾向の進展B海上運賃(穀物専用船)の高騰等による。と
の説明があり、需要者側からは@価格上昇時には激変緩和措置が必要A商売上は
原料価格の上昇を製品価格に転嫁することに理解を求めるがそれには、何より今
後の価格動向を説明することが重要等の意見が出されましたが、予定価格の算定
方法に変更はないとの回答でした。
2理事会の報告
(1)理事長挨拶要旨
・今年度最後の理事会へ年度末のお忙しい時期の開催にも拘わらず、
参加頂き感謝。
・まん延防止等重点措置は解除されたが、東京では7千名を超える感染者が
報告されており、気を付けて行動して頂きたい。
・上野公園の桜も満開となったが、今年も花の下での宴会は禁止で、花を眺め
て歩くことしか許されないが、コロナ後を見据え、何らかの形を模索して
いく時期にきていると感じている。
・ここ2年間コロナ禍で一堂に会することが出来ず、組合としての活動が出
来ていないが、環境的にも経済活動を容認する方向となってきたので、何か
やろうと思っている。
・原料米(MA米)等高騰しており、米粉製造量は毎年落ちており、
製品も売る努力が求められている。
・(一企業だけでなく)協同して(需要を)盛り上げる方法を考える時代。イ
ベントばかりでなく製品の品質をアピールする時期にあると思っている。
・米粉にはなまこ、白玉粉等があり(組合内に)それぞれの部会があるが、そ
れぞれの製造量は落ちており、粉全体で(需要の)拡大を考えていくことが
重要であり、皆で共同して何ができるか知恵を出してもらいたい。
・対面での会議は今は制限されているが、5月12日の総会時にはかなり緩
和されていると思う、昔の様な活気のある組合にしていきたいので(総会
に)大勢参加いただき共同してできる(活動を)提起してもらいたい。
・(小麦が高騰しており)TV取材を受けた、米粉に注目が集まっている時で
あり、この好機を組合全体として考えていければと思う。
(2)令和4年度通常総会提出議案について
第1号議案:第63期事業報告及び第63期決算財務諸表
事業報告については、組合員数について2名の新規加入があったが
3年度末で2名が脱退したため、組合員数は前年度と同様77名であ
ること。原料米関係については各データをUp dateし、最新のデータ
に更新し評価。組合運営については、コロナ禍2年目の社会状況や各
部会、委員会及び青年会等の活動状況、製品製造動向等の推移、米粉
調製品等の輸入状況及び組合設立以降の食糧政策等について記載。
第2号議案:第64期事業計画(案)及び第64期収支予算(案)
事業計画(案)については、コロナ禍3年目での経済情勢、原料米
の動向、コンプライアンスの遵守、米穀の需給見通し及び組合運営等
について記載。
特に、ロシア・ウクライナ紛争に関連し、小麦の国際相場の高騰に
関連し、コメ製品が需要拡大する可能性について言及。」
第3号議案:経費賦課徴収方法に関する件(前年同)
組合費(1〜3級とも前年同額、4半期毎の前納方式)
賦課金(対象米穀,賦課金単価とも前年同額、3半期毎に納入)
第4号議案:借入金残高の最高限度額並びに組合員に対する事業資金
貸付残高の最高限度及び貸付利率の決定の件(前年同)
・借入金残高の最高限度:5億円
・貸付最高限度額:500万円/組合員
・貸付利率:借入金利率の2厘増し
第5号議案:加入金決定の件(前年同)
加入金:10万円
第6号議案:任期満了に伴う役員改選の件
以上6議案を諮ることで了承された。
【質疑】
本年度も2名が脱退したが、1名は廃業、1名は組合加入のメリッ
トがないことを脱退理由としている。今後もこうした者は出てくると思
うが、組合費が高い(20年前は原3級で4.8万円/年、今は159,600
円/年と330%UP)わりに反対給付が少ないことも一因と思う、各理事
の見解を聞きたい。
⇒コロナ禍で2年間何も出来ていない。上新粉等はかつてと使い方が
変わってきている、米粉について農研機構等とタイアップして一企業
ではなく、組合として全体で研究していくべき。
今までは原料米の調達が中心で組合運営してきたが、(今は、組合員
でなくても原料米の調達は容易となり)活動は停滞している。いずれ
にしても、メリットを享受できるような活動を目指したい。
⇒メリットの感じ方は組合員区々であり、個々に価値観が違う。組合に
は情報があり、これを積極的に活用するか否かは組合個々の事情によ
る。
⇒本年度2社が新規に加入した。これらの者は組合員でいることにメ
リットがあると判断した結果だと思う。米粉の需要に追い風が吹き始
め各種情報が必要になる。
⇒組合員が脱退するのは残念。原料米を多量に買っていたとき組合員で
メリットがあったが、原料米や関連する情報が取れるので加入してい
る。組合の情報、資料説明メリットがある。組合員が減ることは残念、
組合は構成員が多い方が力になる。組合運営を皆で考える契機を与え
られたものと理解。
等の意見が出され、本件は継続して検討していくこととなった。
(3)役員改選について
5月12日の令和4年度通常総会は、提出議案にあるように、
2年に一度の役員改選を行うこととなる。
今般の改選では、理事・監事10名のうち2名の交代を通常総会に諮っ
ていくことで了承された。
(4)報告事項(別紙2参照)
配布資料「米粉製造量等に関する資料」に基づき、昭和45年から
調査が開始された米粉製造量等の推移、昭和62年から関税分類され
た米粉調製品、輸入単価の推移及び組合設立時(昭和25年)からの
食糧政策等について説明。(別紙2参照)
特に、米粉を巡ってはロシア・ウクライナ紛争の影響により小麦価格が高
騰し、今後もOECDの予測ではさらに、90%上昇する見込みであり、同様
に小麦価格が高騰した平成20年には、コメに関心が高まったことがあった
が、小麦価格が下落に転じると小麦に需要が戻っていったが、今回の高騰は
今後しばらく続くものと見込まれ、米粉にとっては、需要局面が反転してい
くことも期待される状況となっている旨説明。
以上
ミニレター 72