3全 穀 発 第69号

                            令和3817

組合員 各位 様

                           全国穀類工業協同組合

            ミニレター(38

  今号では、729日(木)に開催された食糧・農業・農村政策審議会食糧部会

において議論された「米穀の基本指針」(米穀の需給及び価格の安定に関する基本

指針)及び日本米粉協会の令和3年度通常総会議案審議結果等について、下記の通

り報告いたします。

                  記

 

1 「基本指針」について(資料1参照)

  (1)基本指針の公表

     「基本指針」(主食用米)については、毎年度(当年7月〜翌年6月末)当

初の7月に策定され、以後、当該年産の生産量の確定に伴う供給量や需

要動向を反映させた改訂版が10月中旬(下記(4)参照)及び3月に公

表されている。

 

(2)本年7月公表の基本指針の概要

     @令和27月〜)/3年度(6月末)〜37月〜)/4年度(6月末)

の需給見通し

                          (単位:万d)

令和26月末在庫量    A

200

2年産生産量      B

2/3年供給量計  C=AB

723

922

2/3年需要量      D

      704

令和36月末在庫量  E=CD   

         219

3年産主食用米等生産量   F

3/4年供給量計   G =EF

            693

      912

     3/4年需要量      H

      703

令和46月末在庫量   I=G-H

      210

            注(1)令和3年産の生産量は作況指数100で仮置き。

2)需要量は2/3年の1年間で704万d(実績値)となり

前年 実績から約11万との減少。

3/4年の需要量は703万d(需要実績から令和3/4

の一人当たり消費量(推計値)を算出しこれに令和3年の

人口(推計値)を乗じて算出)前年度需要実績より1万d

の減少と推計。

     なお、過去の需要実績を見ると毎年1020万d程度減少

しており、本指針の703万d(前年比1万d減)は実態

から大幅に乖離した数値であり、3/4年の需要量は700

万dを大幅に割り込むものと思われる。(その分、令和4

6月末の在庫量が積み上がることとなる)

3)令和36月末の在庫量については、国の「周年供給・需要

拡大支援事業」により市場隔離した2年産米33万dが含ま

れている。

4)ラウンドの関係で計と内訳が一致しないことがある。

 

     A3/4年の備蓄運営(政府在庫)       (単位:万d) 

令和36月末在庫       A 

              91

令和3年産米買入予定量      B

       21

令和3/4年販売量(飼料用)     C

     1321

令和46月末備蓄量  D=A+B+C

     9199

       注(1)令和3年産米の政府買入契約数量は21万d。

         (2)備蓄米の年産更新は保有期間が一定の期間を経過している米に

ついて品質確認後1321万dの範囲で飼料用に販売。

 

  (3)「基本指針」に対する委員からの指摘等

     @3年産の生産量について国は、需給均衡に必要な67ha36

トン相当)の更なる作付け転換の必要面積については本年6月末で6

1ha33万d相当)まで積み上がっている。

       ⇒生産現場には、作りすぎとの現状認識が浸透していない。市場原理

が働くことで生産調整が行える仕組みのへの改善が必要。

        生産現場では、機械や施設は米つくりを前提に導入している下で、

他の作物への転換はハードルが高い。

        需要が減少している下では、供給を減らすしかないので、より高収

益の作物への転換を図るべき。

     A需要見通しについては、

⇒変動要因を見極めながら柔軟に見直すべき。

 現行の回帰式による需要量見通しでは市場構造の変化を織り込め

ない。

 大きく需要が減る年と、10万dも減らない年があり、それぞれ要

因を分析して示すべき。

     Bコロナ禍で需要が減少した業務用米について国は、「国産農林水産物等

販売作新緊急事業」による販売支援策により6万dの販促効果が得ら

れたことについて。

⇒米の需要拡大の要諦は輸出にあり、パック米飯(米飯に比べ製造コ

ストが3倍、輸送コストが4倍に高騰)に対する支援策が必要。

 酒造好適米、村米(契約栽培の酒米)生産に係る後継者難に対する

支援が必要。

     等の意見が出され、上記のように公表されました。(指針全文は資料1と

して添付)

 

  (4)指針改定版の早期策定

基本指針の生産量に関連し、令和3年産から需給緩和の中、翌年産に向

けた産地の早い時期からの取り組みを促すため、需給に係る指針の策定時

期を従来の11月末より1ヶ月以上前倒しし10月中旬としたことから、

9月調査の作柄概況(生産量)の予測精度をより高めて使うことが必要とな

り、従来の915日現在9月末公表から925日現在10月上旬公表

にあと倒しされることとなった。

なお、従来、11月公表の指針(改訂版)で使用されていた1015

現在の作柄概況(生産量)についても1025日現在にあと倒しされる

こととなる。

 

2 日本米粉協会の動向(資料2参照)

   令和3年度日本米粉協会通常総会は、コロナ禍の下昨年度に引き続き書面に

よる開催となりましたが議案については、すべて承認頂くことが出来ました。

   本総会で承認された「令和3年度事業計画」、「令和3年度収支予算」等につ

きましては、資料2を参照して下さい。

   また、日本米粉協会事務局については、今年度よりJAグループに移管され、

資料2の役員体制の下、米粉新時代の着実な前進と定着に向け取り組んでいく

こととしています。

  

3 その他

   (1EU RASFF通報(ビスケット中のアクリルアミド)(資料3参照)

       RASFF( 欧州委員会が食品・飼料に関するリスクが検知されたとき

全加盟国に情報提供するシステム)でビスケット中のアクリルアミドに

ついてベンチマークレベル(350μg/s以上)を超過する事例での通関

拒否。

 

   2)食品用器具・容器包装のポジティブリスト制度の導入(資料4参照)

       食品衛生法の一部改正に伴う関係政省令の整備に伴い、食品に用いら

れる器具又は容器包装についてポジティブリスト制度の対象を明確にし

たことの周知・徹底。

以上

 


                              ミニレター 65