2全 穀 発 第105号
令和2年 11月17日
組合員 各位 様
全国穀類工業協同組合
ミニレター(2−11)
今号では、11月10日に開催された正副理事長会、農林水産省が10月30日
に公表した「令和2年産の作柄概況(10月15日現在)」及びこの作柄概況の公
表(令和2年産米の生産量の減少)に伴い11月5日食料・農業・農村審議会食
糧部会が開催され「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の再改定(2年
産米の収穫量の減少等)及び11月11日新潟市において開催された米粉用米意見
交換会(マッチング)等について下記の通り報告いたします。
記
1 正副理事長会の開催について(資料1〜2参照)
11月5日(木)正副理事長会が開催され、先日実施したコロナ禍に関するア
ンケートのうち、「新役員体制への期待」「部会等の活性化」に対する要望事項(ミ
ニレター(2―9)でアンケート結果を報告)への対応方向等について協議し、全
役員の了承認の下、組合員各位の要望等に対する「対応方向」について資料1の
通り取り纏めましたので報告いたします。
(1)部会の開催
部会等の活性化についての皆様からの要望は、部会を「リモートで開催せよ」
「部会は不必要」とのご意見まで区々でありましたが、再度、部会開催の意向等
について把握することとなりました。
つきましては、部会開催の必要性について把握するため、開催を希望する組
合員におかれましては、開催についての意向をお知らせいただきたいと思いま
す(別紙要望書を12月25日までに事務局宛提出して下さい)。
(2)加工用米産地の確保
(資料1の中ほどの)岡山県津山市(津山市、第3セクターの地域商社(当
組合の半鐘屋さんが社長です)において、地域振興のため需給に見合った加工用
米等の生産を令和3年産から開始することとしており、当組合と津山市域での
加工用米等の生産を通じての農業振興に関し協定を締結したい旨の意向が示さ
れています。(協定は供給数量等の協定ではなく、当組合に何ら履行義務を負わ
せるものではありません)
つきましては、今後、供給条件等を詰め改めて(3年産の作付までに)ご案内
いたしますので、加工用米の供給産地の危険分散(津山市は災害の少ないところ
で中山間地の品質良好な米の産地です)等お考えの方は、もう暫くお待ちいただ
きたいと思います。
(3)米粉製造量の推移(資料2参照)
コロナ禍における米粉製造の動向については、アンケート調査しその結果等
についてご報告(ミニレター(2-9))したところでありますが、直近(9月ま
で)までの動向について、「生産月報報告」に基づき整理いたしましたのでお知
らせいたします。
米粉生産動向については、コロナ禍でうるち米を原料とする製品については
本年1〜5月まで対前年同月比(マイナス)▲3〜20%程度の落ち込みで推移
していましたが、6月以降9月までは、同(プラス)+で推移しており、特に8
月は同+17%程度の増加となりました。
一方、もち米を原料とする製品は、8月に対前年同月比約+1%程度の増加と
なりましたが、3〜7月、9月は、同▲10〜30%程度の落ち込みとなっていま
す。
2 令和2年産米の作柄概況等について(資料3〜4参照)
10月30日(金)令和2年産水稲(主食用)の作柄概況等(10月15日現
在)が公表され、北海道、東北は前回より上方修正、関東・東山、沖縄は前回同、
その他の地域は軒並み前回より下方修正され、特に九州は11ポイントの大幅な
減少となりました。(前回(9月15日現在)の概況については、ミニレター(2-
10)で報告済み)
〇作柄概況(資料3参照)
・作況指数
全国「99」(平年並み、前回より2ポイント減)
地域別 北海道「106」(良、同1ポイント増)
東北「104」(やや良、同1ポイント増)
北陸「102」(やや良、1ポイント減)
関東・東山「101」(平年並み、同)
東海「95」(やや不良、同2ポイント減)
近畿「96」(やや不良、同3ポイント減)
中国「92」(不良、同5ポイント減)
四国「96」(やや不良、同4ポイント減)
九州「85」(不良、同11ポイント減)
沖縄「101」(平年並み、同変わらず)
・作付面積・予想収穫量等
作付面積:136万6千ha(前年産比13千ha減少、前回比同)
予想収穫量:722万9千t(前年産比32千t減少、同117千/d
減少)
〇品質概況(資料4参照)
農林水産省が10月30日に公表した令和2年産うるち玄米の全国の検
査数量合計(9月30日現在)は、1,779.6千d、元年産検査数量(449
万d)の約40%となっています。
また、もち玄米の検査数量は、58.7千d、元年産検査数量の約35%と
なっています。
品質概況は、水稲うるち玄米の1等比率は80.7%(前年同期比13.1ポ
イント増)で、過去5年間では平成30年産の80.3%(最終、同期比は
78.9%)、29年産の80.8%(同期比、最終は82.3%)と同程度となっ
ている。
2等以下に各付けされた主な理由は、形質(芯白、腹白等)39.4%、
(元年産57.7%)、着色粒32.9%(元年産20.1%)、整粒不足19.7%
(元年産16.6%)となっています。
(次回は11月末に10月末現在の検査数量等が公表予定。)
3 米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の再改定について(資料5参照)
米穀の「基本指針」については、本年7月末に策定され(ミニレター(2-8)
で報告済み)、例年、当年産の収穫量等の確定に伴い、11月末に改訂されていた
ところでありますが、本年は、供給過剰基調にあることから、3年産米の作付を
大幅に抑制する必要があり、このメッセージが生産現場に早く伝わるよう前回
(10月16日)改訂されたところであります(ミニレター(2-10)で報告済み)
が、上記10月末の作況公表を受け、生産量が下方修正されたことから、今回(11
月5日)以下の通り再度改訂されたものであります。
○令和2/3年度(R2年7月〜3年6月末)〜令和3/4年度
(R3年7月〜4年6月末)の需給見通し
(単位:万d)
200 |
|
令和2年産生産量 B 令和2/3年供給量計 C=A+B |
723 923 |
令和2/3年需要量 D |
711〜716 |
令和3年6月民間在庫量E=C−D |
207〜212 |
令和3年産生産量 F 令和3/4年供給量計 G=E+F |
693 903〜905 |
令和3/4年需要量 H |
705 |
令和4年6月民間在庫量T=G−H |
195〜200 |
令和3年産米の生産量については、令和3年産が1年間(令和3年7月〜令和
4年6月末)消費され、令和4年6月末の在庫として200万トン程度の適正水
準となることを前提に693万トンを算出している。これは、2年産の生産量か
ら30万d6万ha以上の大幅な削減(作況100で補正すると2年産の生産量
は729万dとなり36万d6.7万/haの削減が必要)が必要となり、その実現
はかなり困難であると思慮される。
4 米粉用米情報交換会(マッチング)の開催(資料6参照)
今年度5か所で開催予定の米粉用米のマッチングの第2弾として、11月
11日(水)、新潟市に於いて開催されました。
新潟会場には、行政、生産者団体、米粉製造者及び需要者団体等20数人が参
加し、行政から米粉事情等の説明、生産者団体からコメを巡る情勢の説明および
新潟県内における米粉用米等の生産事情、米粉製造者から米粉生産・消費等の動
向が説明、生産側と製造者側の質疑応答の後、生産側と製造者側の個別意見交換
会が行われました。(当日の議事録、配布資料は、資料6を参照して下さい。但し、
行政からの配布資料は前回の広島会場と重複しているため割愛いたしました。)
(ミニレター(2-10)に添付済み)
なお、当日、当組合員の参加はありませんでした。
5 その他
(1)食品衛生法が改正され新たな取り組みが必要です!(資料7参照)
平成3年6月1日HACCPが義務化されます。来年5月末までに組
合作成の「手引書」に従い衛生管理に取り組む必要があります。
@HACCPに沿った衛生管理
「手引書」に従い、各社ごとに衛生管理計画、衛生管理手順書、製造工
程図等を作成し、各種記録簿及び改善措置記録表等に必要事項を記載する
ことが必要です。(保健所の巡回指導時に提示が必要となります)
A保健所への届け出
新たに届出制度が創出され、令和3年11月末までに「営業の届出」が
必要となります。(電子申請も可能ですが、まだ申請システムが機能してい
ません、最寄りの保健所でお確かめ下さい)
B食品衛生責任者の配置
新たに食品衛生責任者を配置する必要があります。食品衛生責任者は都
道府県等が実施する「講習会」等の受講が必須です。(県内の開催情報に留
意して下さい)
(2)下請取引の適正化について(資料8参照)(経産省、公取委)及び改正独
占禁止法の施行(資料9参照)(公取委)
表記に関し、周知依頼がありましたので配布いたします。
(3)取引上の悩みを抱えていませんか?(パンフレット参照)(中小企業庁)
表記パンフレットの配布依頼がありましたので供覧いたします。
以上
ミニレター 56