29 全 穀 発 第77号
平成 29年 7月 3日
組合員各位 様
全国穀類工業協同組合
ミニレター(29−7)
今号では、6月30日(金)に開催された日本米粉協会(当組合からは新米粉部
会が会員として参加)認証委員会の議事概要並びにHACCPのアンケート(本年
2〜3月実施)結果及び平成28年度の米粉製造量について、下記の通りご報告い
たします。
記
1 日本米粉協会認証委員会の議事概要(添付資料参照)
米をノングルテン製品として市場投入する場合は、グルテン含有量が1PPM以
下であることの認証が必要となり、この認証を行なうための認証機関は、5月25
日に設立された日本米粉協会への登録が必要となりますが、その登録に際しての認
証機関の要件、認証方法、工場監査のあり方等について、6月30日日本米粉協会
第1回認証委員会において議論され、その概要以下の通り。
(1)食品安全管理の動向と米粉製品事業者認証について(冊子資料参照)
認証委員会委員であるBMLフード・サイエンス営業本部
藤田副本部長から食品の安全管理、HACCP、及び食品安全規制と民間
認証等について、配付資料「食品安全管理の動向と米粉製品事業者認証
について」により説明。
≪説明概要≫
・BMLは、年間1千数百ヶ所の工場監査を実施している
・GFSI(世界食品会議)「全ての消費者に安全な食品を」のビジョンの下
2000年発足。日本ではイオンがボードメンバー(20社)に入ってい
る。GFSIジャパンは2012年に設立。GFSIの認証(12種類)を一度
取得すれば、世界のどこでも通用する。
・今後の対米輸出には、FSMA(米国食品安全強化法)を遵守する必要。
・HACCPを取得しないと世界に遅れる。
・HACCPは52年前、米国でアポロ計画のために作られたが、米国で
も未だに守られないのは、どこかに欠陥があるからだと思っている。
・イオンのPB商品を製造するためには、JFSMI(日本食品安全マネジ
メント協会)のJFS-E認証の取得が必須。
≪質疑概要≫
・米粉の製造には、取敢えずHACCP程度のものをやってみなければ
輸出は視野に入らず、更に米国に向けてはFSMAの遵守も必要。
・米粉製造業者は全国に200〜300社あるが、殆どが従業員10人以
下の零細企業、その中でISOを取得しているのは、リーデングカンパ
ニーの数社のみ。認証を取得していくには、オーナーの決断、コスト
の問題がある。
・米粉業界でHACCPの導入が少ないことに驚いた。小規模の製造者
はグルテンが混入することを認識していないのではないか。
・会社としての覚悟が無ければ、食品製造に係る各種の認証は取れない。
更に、海外展開をする大手企業には認証取得は必須である。
米粉の品質管理も怪しいところが多い中で、1PPMの認証はやってい
く覚悟が無ければ出来ない、経済的にはかなりの持ち出しとなる、小
さい会社まで認証できる仕組みにしてしまうと、次のステップに入る
時高いハードルとなる。
・グルテンフリー製品は、日本では健康食品、海外は体の調子の悪い時
に摂るイメージで、そのマーケットは世界的に増加している。
・米粉の二次製品についての認証要求は
⇒輸出製品については、製造者に同等レベルまで要求。国内で新規に
取引を開始する場合は、1つ前の加工業者、原料についてはその前
の供給者まで、資料等で安全性を確認してから仕入れている。
コカコーラ鰍ヘ認証を行なっている企業としか取引をしない。
・原宿ではクレープ店が多く、例えばグルテンは洗っても落ちないと言
うような、グルテンの知識も無いのに、徒にグルテンフリーを謳い商
売している。
グルテンフリー製品は、沢山出回っている。米粉には、グルテン含有
量1PPM以下の基準が策定され、これら製品と差別化していくため
にもPRしていくことが必要。
(2)米粉のノングルテン認証手続きについて(認証要領参照)
日本米粉協会事務局から、配布資料の「米粉のノングルテン認証要領
の要点について説明。
≪質疑概要≫
・要領について、文書だけでは各者の関係性が分からないので、図示
したものを示すべき。
⇒事務局において作成する。
・工場監査について示されていないが。
⇒今日は示していないが、近日中に具体的な監査方法、チェックリ
スト等について示したい。
・ノングルテンの製品検査は、原則2年で1年毎に中間検査を行う
事とされているが、その時たまたま基準を満たしていた場合もある
ので、検査サンプルについては、自主採取は不可、抜き取り採取の
み有効としては。
・認証を行う製品の範囲について定義が必要。
・微生物、異物、グルテンの混ざりやすい、クリティカルポイントの
設定が必要。
⇒ご指摘について工場実態も踏まえ、現在2章立となっている要
領を、人、モノで切り分け、3章立てとして整理する必要がある。
(3)ノングルテン認証ロゴマークについて(ロゴマーク参照)
事務局から、配布資料「ノングルテン認証ロゴマーク」について概要
説明。
≪質疑概要≫
・ロゴマーク内の認証番号(固有番号)については、書き込むことの必要
性について再考する。
・このマークの付いた第1号製品を、遅くとも今秋までには出して行き
たい。
(4)今後の進め方
今日の資料等に対する意見、訂正等については7月10日(月)までに
事務局へ、意見を集約して7月中旬、各委員に戻し、8月7日(月)の
第2回委員会で取りまとめを行いたい。
なお、議論をスムーズに運ぶため、委員を更に絞り小委員会を設置し
議論を深めていく。
こととされました。
(5)その他
・認証に関し、日本米粉協会に加入している者にメリット措置は有るか。
⇒認証行為にはないが、情報提供を受けられることが大きなメリット
となるよう心掛ける。
・米粉の認証は、協会の会員でなければならないのか。
⇒そんなことはない
・グルテンは、小麦以外に入っているのかよく質問受ける。小麦、大麦、
ライ麦、ハトムギにはグルテンが入っている。グルテンの概念につい
て(ロゴマーク、HP等で)定義しておくべき。
⇒Q&A集の作成も考える
以上を以って第1回認証委員会を17時に終了。
なお、前回のミニレターで案内しております、米粉のノングルテン、用
途別基準についての、全国説明会のパンフレットも同封いたしますので、
お近くの会場にお出かけ頂きますよう、御案内申し上げます。
2 平成28年度食品製造業におけるHACCPの導入状況実態調査(資料参照)
本調査については、本年2〜3月会員各位にご協力いただき、今般配布資料の様
に取り纏められました。HACCPの導入は年々増加しているものの、28年度で
は全体の1/3程度となっています。(詳細は配布資料を参照して下さい)
御協力を頂きました組合員各位に御礼申し上げます。
3 米粉製造量について(米粉製造量資料参照)
平成28暦年(1∼12月)の米粉製造量につきましては、既にお知らせしていま
すように全体製造量(食品需給センターの集計)が前年対比▲2%減少する下で、
当組合員の製造量(生産月報報告の集計)は+4,5%と初めて上昇に転じました。
平成28年度(4月〜29年3月)の当組合員の製造量(生産月報報告の集計)
は、全体製造量(食品需給センターの集計)が▲1,1%減少する下で+7,7%の上
昇を維持しております。(配布資料参照)
ミニレターN